前節の東京V戦は5連戦の最終戦。チームの総力を尽くして戦い、アウェイの地で勝点1を獲得した。
「45分〜60分間は相手がボールを握る苦しい展開」(ラバイン監督)、「後ろからのビルドアップの組み立てに課題がある」(森昂大選手)と振り返ったように、思い通りにボールを持って前進することができず押し込まれる場面が多かったが、守備陣を中心に粘り強く対応し無失点。
後半には、天皇杯に続き途中出場となったエウシーニョ選手が右サイドで時間を作り出し攻撃の起点となると、エウシーニョ選手のクロスに坪井選手が頭で合わせる決定機を迎えたが、相手GKの好セーブに遭いゴールとはならなかった。坪井選手は「ゴール前でのプレーをもっともっと集中して、ゴールにねじ込むことを大事にしたい」と試合後に話し、先発した児玉選手も「練習からどんどんチャレンジしてやるしかない」と悔しさを滲ませながら、前を向いて進む決意を示した。
『悔しい』経験は決してネガティブではない。
間違いなくさらに成長するための大きなエネルギーとなる。
7月1日から続いたハードな連戦を終えたチームは18日から甲府戦に向けて始動。
久しぶりに公開練習もおこなわれ、本格化した夏の気候の中、サポーターの目の前でトレーニングに励んだ。
なかなか勝ち切れない試合が続く中、指揮官は「ラスト20〜30mでの迫力が足りなかったり、精度不足やシュートを打てなかったりという部分がある」とチームの課題を分析し、その改善に向けたトレーニングをおこなった。
西谷選手も「やることがたくさんある。ただ少しずつしかクリアはできないので、できるだけ早く確実に前へと進んでいきたい」と話した。
今シーズンここまでリーグ戦25試合に出場し、経験の少ないWBでの出場ながらもプレーでチームを引っ張る副キャプテン。
徳島に加入して4年目、常に1歩ずつ目の前の壁を乗り越え、成長を続けてきた。
途中出場から得意のドリブルで存在感を放ち始めた高田選手※も「もちろんスタートから試合に出たい気持ちが強い」とまだまだ自分のプレーに満足はしていない。
「徳島ヴォルティスはまだまだ発展途上」(柿谷選手)
チャレンジすることを止めてはいけない。
この苦しい状況を乗り越えることで、個人として、そしてチームとしてさらに成長できるはずだ。
ホームのサポーターの応援を背に、それぞれの想いを大きな力に変えて、目の前の一戦にすべてをかけて戦おう。
※「高」は正しくは「はしごだか」